広告やテレビのCMなどで「リノベーション」「リノベ」という言葉をよく見聞きするようになりました。この記事では、「リノベーションって何?」「リフォームとはどう違うの?」など、リノベーションにまつわるさまざまな疑問についてお答えしていきます。リノベーションに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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リノベーションとは、中古の家を現代のライフスタイルに合った住まいに蘇らせることをいいます。具体的には、水や電気、ガスなどのライフラインや、構造躯体の性能を必要に応じて改修したり、ライフスタイルの変化に合わせて間取りや内装、外装を刷新したりします。今までより快適な暮らしが実現しますし、家の価値の向上も期待できます。
よく、「リノベーションはリフォームの大規模版」と思っている方がいらっしゃいます。一般的にはほぼ同義語のように使われることが多いのですが、言葉の意味を厳密に考えると、微妙なニュアンスの差があります。リノベーション(renovation)は、「作り替える」こと。そしてリフォーム(reform)は「元の形に戻す」こと。実はリノベーションとリフォーム、国で定めた定義があるわけではありません。しかし、リノベーション関連企業の業界団体である『一般社団法人 リノベーション協議会』によると、リフォームは「原状回復のための修繕・営繕、不具合箇所への部分的な対処」、リノベーションは「機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修」と定義されています。
家をまるごとリノベーションする方法です。もともとあった家を、構造躯体のみに解体し、全面的に作り変えるので、間取りやデザインを大きく変えることができます。基礎や柱など、今の家の良い部分を残すことができるので、新築に比べて費用が抑えられる点も魅力的です。
家を部分的に新しくするリノベーションです。「水回りの傷みが気になる…」「フローリングを綺麗にしたい!」「収納を増やしてお部屋をスッキリさせたい」など、大切な住まいをアップグレードすることで、暮らしがより快適になります。工期も数週間かかるものから、1日で終わるものまでさまざまです。代表例を紹介します。
一般的に、一戸建ては築10〜15年ほどで外壁や屋根、水回りなど、設備の劣化が生じるため、部分的なリノベーションが必要になります。その後、築20〜30年が大規模なリノベーション(フルリノベーション)に適したタイミングといえます。また、築年数が古くなるほどリノベーションにかかる費用は高額になります。「まだまだ住めるから…」といって先延ばししていたら、いざリノベーションをする際に想定外の費用がかかってしまった、というケースもあるのです。築20年が経過したら、一度は建物診断を受けて、住まいの健康状態を把握することをおすすめします。
家族構成やライフスタイルの変化も、リノベーションを考えるうえで重要な目安です。「子どもが巣立って夫婦2人になったから、ゆとりある空間の間取りにしたい」「高齢の親と同居することになったから、バリアフリーの家にしたい」など、現状の間取りや設備のままでは暮らしにくい場合は、リノベーションが必要なタイミングです。
の家のデザインが古臭く感じてしまった、趣味が変わった、気分を一新したい!…思い切った変化がご希望の場合も、リノベーションがおすすめです。「家は3度建ててやっと理想の家が建つ」とは言いますが、一生の買い物とも言われるマイホームを3回も建てるには莫大な費用がかかります。リノベーションなら、新築ほどの費用をかけずに、さらに愛着ある土地から離れずに、新築さながらの大胆なテイストの変更が可能です。家をリフレッシュして、さらに長く愛せる住まいに蘇らせることができます。
戸建てと同様に、マンションでもリノベーションが可能です。マンションの場合、建物の見た目や形は変えられないので、専有部分のみのリノベーションとなりますが、間取り変更を含む大規模リノベーションを行うことも可能です。
リノベーションを考えるにあたって、まず気になるのは費用のこと。依頼する業者や建物の施工面積、状態、設備や仕上げのグレードによって、リノベーションにかかる費用は大きく異なります。おおまかな目安は、40坪の家なら800万〜1200万円前後が平均的な相場 といえます(ここに各種の税金がプラスされます)。
リノベーションとよく比較される建て替えの場合、40坪の家なら2000万円が目安 です。基礎も含めて建物の全てを壊し、新たな建物を建てるため、そのぶんの費用がかかります。
リノベーションの費用を大きく左右するのが建物の状態です。「解体してみたら構造躯体に傷みが見つかった」「耐震強度が足りていない」などの場合、建て替えと同じくらいの費用がかかってしまうケースも少なくありません。また、築年数は古くなるほどリノベーションの費用が高くなります。築20年を経過したら建物診断を受けるなど、あらかじめ専門家に相談してからリノベーションの計画を立てるとよいでしょう。
リノベーションの一般的な流れをご紹介します。それぞれのステップに要する期間は、リノベーション内容や社会情勢などによっても変わるので、あくまで目安となります。
見学会に参加したり、近くの工務店に問い合わせをし、好みに合う・信頼できる工務店を探します。建物診断(耐震診断)を受け、現在の家の状態を把握します。
リノベーションの内容や希望、予算を担当プランナーに伝えます。優先順位を明確にすると進行がスムーズです。大まかな仕様が決まったら、概算見積もりを確認します。
提案プランと見積もりに納得がいけば、契約です。契約後、詳細な設計についての打ち合わせを行い、間取りや仕様を確定させまる。
いよいよ工事です。まずは解体工事。基礎や柱など、今の家の良い部分を残して解体します。必要に応じて耐震工事を施し、その後、外壁・内壁などの造作工事を行い、壁・天井のクロス貼り、ドアの設置等、内装を仕上げます。最後にキッチンや浴室、洗面、トイレなど、新規の設備機器を設置します。
リノベーションが完了したら、社内検査を行い、その後、お客様に実際にご確認いただきます。必要に応じて手直しを行い、お引き渡しとなります。
リノベーションの定義やリフォームとの違い、そしてリノベーションについての基本的な知識をまとめました。これからリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。